モダンな和室を作るアイテムとして人気がある「琉球畳」。
ところで、普通の畳との違いについてはご存じですか?
この記事では、琉球畳と普通の畳の違いについて、原料や作り方、機能的な特徴など、さまざまな観点から比較していきます。
琉球畳と普通の畳の原料と製法の違い
まず、琉球畳と普通の畳の素材となる原料の違いを比較してみましょう。
琉球畳の原料と製法
琉球畳とは、カヤツリグサ科の「七島い(しちとうい)」という植物を原料として作られた畳のことです。七島いがよく栽培されていた沖縄にちなんで、琉球畳と呼ばれるようになりました。
現在使われている七島いは、大分県で栽培される純国産、中国産、熊本で中国の七島いを栽培している半国産などがあります。
琉球畳は、七島いを織り込んだゴザを畳床と呼ばれる芯に縫い付けて作られます。
琉球畳の特徴は、正方形をしていて縁(へり)がないことです。
縁は畳の耐久性を高める役割がありますが、七島いはとても丈夫で加工しやすいため、縁をつける必要がありません。
その代わり、琉球畳は七島いを特殊な織り込み方で四方に縫い付けて、強度を保っています。
普通の畳の原料と製法
普通の畳は、イグサ科の「い草」という植物を原料として作られています。い草は日本全国で栽培されていますが、特に九州産のものが高品質とされています。
普通の畳も、い草を織り込んだゴザを畳床に縫い付けて作られます。
普通の畳の特徴は、縁(へり)があることです。
縁は畳の端を布で補強して、摩耗やほつれを防ぐ役割があります。縁の色や柄はさまざまで、部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
琉球畳と普通の畳の耐久性の比較
次に、琉球畳と普通の畳の耐久性を比較してみましょう。
琉球畳の耐久性
七島いの琉球畳は、普通の畳に比べて耐久性に優れています。
七島いは硬くて強靭な素材で、重たい家具を置いても凹みにくく、跡が残りにくいのが特徴です。琉球畳の耐久度は、普通の畳の5~6倍と言われています。
新品の琉球畳はザラザラとした手触りがありますが、使い続けることで柔らかくなり、ツヤや色合いが増していきます。この質感の変化も、琉球畳の魅力のひとつです。
普通の畳の耐久性
普通の畳は、琉球畳に比べると耐久性が低いと言われています。
い草は柔らかくて滑らかな素材で、使い始めはつるつるした手触りがありますが、重たい家具を置いたり、歩いたりすると凹んだり、すり減ったりする可能性があります。
普通の畳の耐久度は約10年と言われています。
メンテナンスによっては、もっと伸びますよ
畳表が傷んできたら、裏返しや表替えをすることで、引き続き使用することができます。このように、普通の畳は、琉球畳と比べてるとメンテナンスが必要ですが、その分、い草の香りや風合いを楽しむことができます。
琉球畳と普通の畳のメンテナンスの違い
琉球畳と普通の畳は、メンテナンスの方法も異なります。ここでは、それぞれの畳のお手入れ方法について紹介します。
琉球畳のお手入れ方法
琉球畳のお手入れは、掃除機がけをするのが基本です。
掃除機がけは、畳の目に沿ってゆっくりとかけることで、ホコリやダニを効果的に吸い取ることができます。
通常は水拭きはしません。もし水分で濡れてしまったら、すぐにタオルや新聞で拭き取り、乾燥させてください。七島いは植物なので水分が残り湿気が多くなるとカビやダニの原因になります。
七島いの琉球畳は、自分で裏返しや表替えをするのは避けましょう。
七島いは硬くて柔軟性に乏しいため、無理やり裏返えそうとすると割れてしまう可能性があるので注意が必要です。
普通の畳のお手入れ方法
普通の畳のお手入れも、掃除機がけが基本です。
掃除機がけは、琉球畳と同様に、畳の目に沿ってゆっくりとかけることで、ホコリやダニを効果的に吸い取ることができます。
普通の畳は、畳表が傷んできたら、裏返しや表替えをすることで、新しい畳のように使うことができます。現代では、畳屋さんに依頼するのが一般的です。
どっちがいい?選ぶためのポイント
七島いの琉球畳と普通の畳は、それぞれにメリットとデメリットがあります。
自分に合った畳を選ぶためには、以下のポイントを参考にしてください。
七島いの琉球畳は、耐久性が高いので、重たい家具を置いても凹みにくいです。そのため、リビングやダイニングなどの家具が多い部屋にも向いています。
和モダンの和室や、洋室のリビングとつながったスペースに使うのもおしゃれです。
普通の畳は、柔らかくて滑らかな素材で、い草の香りや風合いを楽しむことができます。客間や寝室などの落ち着いた雰囲気の部屋に向いています。
また、七島いの琉球畳よりも価格が安いというのもメリットだといえるでしょう。
この記事のまとめ
この記事では、琉球畳と普通の畳の違いについて、素材と製法、耐久性、メンテナンスの観点から解説しました。また、比較して畳を選ぶためのポイントも紹介しました。
この記事を参考にしてご自分にあう法を選んでみてくださいね。